昭和の頃のお葬式は、自宅の前にテントを張り、近隣住民に料理や参列者の案内、受付を手伝ってもらうなど、地域の一大イベントのようでした。
その後、葬儀社の式場が建設され始めると、「手間いらず」ということで、自宅葬から葬儀式場でのお葬式にシフトしていきました。

しかし、現在では、さまざまな要因がありますが、少子高齢化、近隣住民やコミュニティーなどの人間関係の希薄化、経済的な理由などにより、少人数でのシンプルなお葬式が主流となってきています。

死亡人口の増加とともに、葬儀社の事業者数も増加しています。
そのため、新たなお葬式の形や埋葬の形がでてきました。
それらをよく検討したうえで、ふさわしいお葬式を選択しましょう。


もくじ

☑ お葬式の種類

☑ 埋葬の種類

☑ まとめ



お葬式の種類

一般葬
旧来の一般的なお葬式です。
通夜・告別式を二日かけて行います。
参列者は、家族、親族、近隣住民、友人、会社関係など、付き合いのある人たちに広く知らせて行うお葬式です。

社葬
社葬とは、会長、社長、取締役員などの葬儀を勤務していた会社が主催となり、送り出すことです。

家族葬
家族葬とは、基本的に一般葬と同じように、通夜・告別式を行います。
参列者の範囲は、家族、親戚を中心に、友人や会社関係などの数人が参列するケースが一般的です。
※ 参列者の範囲を限定する明確な基準はありません。

一日葬
一日葬は、通夜を行わず、告別式から火葬を一日で行うお葬式です。
ここ最近では、一日葬が主流になりつつあります。

直葬
直葬は、祭壇を飾らず、お葬式をしないで、火葬を目的としたものです。
ただし、火葬場で焼香や読経、花入れなど、限られた時間内でお別れをすることができます。

お別れ会
お別れ会は、家族、親戚など、内々で故人様を火葬してから後日、ホテルなどの会場で友人、知人、会社関係者を招いて行う葬儀です。

無宗教葬
無宗教葬とは、お葬式に宗教者なしで行う葬儀形式です。
※ 寺の檀家(寺に属した墓を所有している家)は、この選択は難しいです。


埋葬の種類
現在では、少子高齢化やさまざまな生活環境の変化により、「先祖代々之墓」を守っていくことが難しくなりました。
昔ながらの墓を「墓じまい」する人が増加し、新たな形の墓がでてきました。
新旧さまざまな墓をご紹介します。

寺院墓地(菩提寺・ぼだいじ)
寺院墓地とは、寺の境内にあるお墓です。
「~家之墓」となっている墓石が立ち並ぶ、一般的な墓地をいいます。
街中にあるケースが多く、アクセスがよいことがメリットです。
デメリットとして、お布施が高額な寺が多いことや寄付金を求められること、宗教的縛りがあることが挙げられます。

霊園・公営墓地
霊園や公営墓地は、宗教的な縛りがないため、お葬式の時には自由に宗教者を選んだり、無宗教葬も可能なので、寺院墓地よりも人気があります。
※ 純粋な(宗教的な縛りがないということです)霊園だと思って墓を購入したら、寺院墓地のような縛りがあったというトラブルをよく聞きますので、契約の際、内容や規約をよく確認するようにしましょう。

樹木葬
樹木葬とは、墓石ではなく樹木を墓石の代わりとして埋葬するスタイルです。
墓石を建てるより安価であるため、こちらを選択する人も増えています。

合祀墓(ごうしぼ)
不特定多数の人と合同で埋葬するお墓です。
管理費がかからないため、後継ぎがいない方や独り身の方が多いようです。
※ 寺院墓地や霊園・公営墓地に墓を所有している人でも、その墓の管理者が途絶えてしまうと、墓は撤去され、遺骨は永代供養塔へ移されます。

納骨堂
一般的な形式は、骨つぼに入れられた状態で建物の中で保管されます。
三十三回忌などの期限で合祀するケースが多いようです。
各納骨堂により、ルールが違うので事前に確認しておいた方がいいでしょう。

散骨
散骨とは、遺骨を粉末にして、海、山、空に撒いて供養する方法です。
一般的には、故人様の遺言に従って行う人が多いようです。

まとめ

このようにお葬式の種類や埋葬の種類は、多様化しています。
故人様の意向に沿うことが一番望ましいことですが、後に残される家族、親族も考慮して生前に検討した方がいいでしょう。